・JR大森駅より
森ヶ崎行きバス(約10分)
北糀谷バス停下車(徒歩2分)
・JR蒲田駅東口より
森ヶ崎行きバス(約20分)
北糀谷バス停下車(徒歩2分)
医院名 |
---|
医療法人社団 原口小児科クリニック |
院長 |
原口 道夫 |
住所 |
〒144-0032 東京都大田区北糀谷1-11-8 アルトT 1F |
診療科目 |
小児科・アレルギー科 |
電話番号 |
03-3742-1517 |
その他 |
匿名加工情報の作成と提供に関する公表 |
小児科の診療や乳児健診の場でしばしば出会う質問や問題をまとめてみました。必要なときに必要なところから読んでください。また必要に応じて更新していきます。
Q4.歯が生え始めたのですが、歯磨きはどうすればよいですか。
Q9.小学校の検診で肥満と言われましたが、どのような注意が必要ですか。
Q10.赤ちゃんの頸の後ろにグリグリがありますが、心配はありませんか。
Q12.妊娠中の食事制限で子供のアレルギー疾患は予防できるのでしょうか。
Q13.赤ちゃんが卵アレルギーと診断され、ショックを受けています。
Q14.猫を飼っているほうがアレルギー疾患になりにくいと聞きましたが。
Q16.発熱のときには解熱剤を使ったほうがよいのでしょうか。
Q18.うちの子は風邪ばかりひいていて、身体が弱いのか心配です。
Q20.ぜんそくが心配なのでベビースイミングに通わせたいのですが。
Q22.高熱なのに抗生剤を処方されませんでしたが、いいのでしょうか。
外来でもしばしば言われますが、必ず飲めます。まず、うちの子は薬を飲まないと決めつけないことです。必ず飲めますが、スンナリ最初から飲んでくれることはむしろ少ないのではないでしょうか。多少のコツやテクニックも必要ですが、必ず飲ませるという強い気持ちも必要です。親の真剣な気持ちはそれなりに子供たちにも伝わるものです。
嫌がって、ばたばた暴れてしまう子はおさえつけるというよりもしっかり抱っこする感じで、年齢によっても異なってきますが、「早く元気になろうねコンコンなおそうねなどとしっかり顔とみて、できるだけ子供にわかるように話しかけてから飲ませるようにします。飲めたら大げさなぐらいほめてあげましょう。あまり、ごまかさないほうがよいと思います。ミルクや甘いものに混ぜてもすぐにわかってしまいます。
まだ上手に飲めないお子さんはシロップや粉薬は水に溶いて、スポイト(スプーンでももちろんいいのですが、スプーンで飲んでくれる子はそんなに苦労しないと思います。)で口の奥のほうで舌の付け根あたりにタイミングを見ながら少しずつたらします。一度に沢山入れるとむせてしまいうまくいきません。水に溶けにくい粉薬などは少量の水でこねて、丸めて、舌の上でなくて、上あごや頬の粘膜にくっつけます。その後、白湯などを飲ませます。はじめはうまくいかなくてもだんだんうまくなります。
小さいころの指しゃぶりは生理的に普通に見られるものです。
赤ちゃんはお腹の中にいる頃から指しゃぶりをすることがエコー検査でも確かめられています。生後2~3ヶ月ごろには目の前に両手を持ってきて眺めるような動作(ハンドリガード)がよく見られます。そのうち、手を口に持っていき、舌や唇でその感触を確かめるような動作が見られます。目で見た映像、手が動いたときの感覚、口でなめたときの感触などを経験しながら、これは自分の身体の一部であるということを実感するようになり、目と手、手と口を協調して動かすことを学んでいくのです。
生後3~4ヶ月ごろになると、手や指を口に持っていき、“指しゃぶり”が盛んにみられるようになります。オモチャなどを目の前に持っていくと、手を出してつかみ口へ持っていく動作も見られます。
反射でお乳を飲んでいたのが、少しずつ自分の意思でなめたり、しゃぶったりできるようになり、オモチャをなめたり、指しゃぶりをすることは、離乳の準備として大切な課程であると考えられます。やがて、手を使うことが多くなり、周りへの関心がひろがってくると、指しゃぶりは自然に少なくなってきます。
指しゃぶりが激しいと乳歯の組み合わせが悪くなることがありますが、3歳ごろまでに指しゃぶりをやめると、噛み合わせは自然によくなってきます。無理にやめさせようとしてもうまくいきません。抱っこをしたり、一緒に遊んであげる時間を増やすなど働きかけを多くすると、“指しゃぶり”は自然に少なくなってきます。
3歳をすぎても指しゃぶりが続く場合には働きかけを多くして、“おかしいからやめようね”“指が痛くなるからやめようね”などと繰り返し話すようにします。指しゃぶりをするよりも、歯の発達に影響が少ないということで、おしゃぶりをすすめる小児科医もおりますし、欧米では当たり前のようにおしゃぶりが使われています。(魔女の宅急便でもキキがパン屋のお客さんが忘れたおしゃぶりを届けてあげるシーンがありましたね。)
私もおしゃぶりを使うことは悪くはないと考えていますが、それよりも1歳をすぎてからもあまり指しゃぶりをしないですむように赤ちゃんの相手になってあげることをあげることを大切に考えたいと思います。
子育ての悩みとしては最も多いものですが、決していつまでも続くものではありません。
夜寝ているときに突然ぐずったり、泣き出したりすることはよくあります。オムツがぬれていたり、単におなかがすいてるだけのこともありますが、はっきりした原因もなく、いろいろなことをしても泣きやまず両親を困らせることがしばしばあります。このような場合に夜泣きといっているのですが、夜泣きは乳児の睡眠が軌道にのっていく段階でしばしばみられる正常な過程であると考えられます。
最初は不規則に何回も泣いて、両親を悩ませることが多いのですが、次第に泣く時間がだんだん決まってきて、回数も少なくなってきます。睡眠のパターンがだんだんと一定になってきて、生後1歳半ごろまでには夜も起きなくなってきて睡眠が安定します。
このように夜泣きは病的なものではないのですが、国によって受け止め方は色々です。欧米では一般に乳幼児は成長過程で夜泣くのは当然のことと考え、”夜泣き”という特別な言葉は使っているところは少ないようです。日本でも昼間赤ちゃんが泣いても当たり前のこととして受け止めるので“昼なき”という特別な言葉を使わないのと同じです。また、どうしても泣き止まずに困ったときは外の空気を吸わせてあげると、うそのように静かになることがあります。
生後8ヶ月ごろには歯が生え始まることが多く、歯磨きをどうすればよいのか気になると思います。いきなり無理に歯ブラシを使って歯を磨こうとしても、赤ちゃんは嫌がってしまい歯磨きが嫌いになってしまいます。
虫歯の原因になるミュータンス菌は歯の少ない時期には菌数も少なく虫歯の出来にくい環境にあるといえますが、上下の前歯と奥歯の一部が生えそろう1歳半ごろから急にその数が増え始め、2歳ごろまでには常在菌として定着します。歯磨きを本格的にするようになるのは1歳半ごろということになります。
その前に、口の周りを触られたり、歯ブラシの感触になれるという準備期間が必要です。慣れるまで、口の周りをふいてあげるときに、そっとガーゼで歯もふいてあげて、口の中や歯に触れられることにだんだんと慣らしていきます。歯ブラシをオモチャとして遊ばせて歯ブラシに慣れさせていくとよいでしょう。
子供は周囲の大人や兄弟のすることに興味を持ち、マネをしながら生活習慣を身に着けていくので、両親、兄弟などが一緒に歯磨きをすると自然に子供の生活の中に入ってくるでしょう。
虫歯の原因となるミュータンス菌は砂糖の存在があると急激に増え、格段に虫歯を作りやすくなります。口の中に入ってくる砂糖の量を出来るだけ制限することが大切です。虫歯の予防には歯磨きだけでは無理で、できるだけ砂糖を少なくするという食生活の見直しが必要です。
離乳食は子供の反応や状態に合わせてすすめていくことが大切です。成長の状況はひとりひとり違うので、子供の様子や食べ方をみながら、無理せずに進めます。
食べさせる側のゆったりとした気持ちも必要です。離乳食をあまり食べてくれないというのは、乳児健診などでもよく聞くことですが、食事量は個人差が大きくて、週単位でみると案外食べていることも多く、母子手帳の成長曲線にそって順調に身長、体重が増えてきているようならば心配は少ないのです。
しかし、離乳食は食べないが母乳やミルクはよく飲むという場合には、離乳食の硬さや味などの調理形態が子供の食べる能力の発達にあっていない場合があるので、食事中の子供の口の動きをよく観察してみる必要があります。吐き出したり、丸呑みしたりすることが続くなら、離乳食の調理形態を一段階前に戻してしばらく様子をみるとよいでしょう。
母乳やミルクを飲むというのは生まれつきそなわっている反射で行われるのですが、人間が食事を食べるというのは口や舌の働きや噛んだり飲み込んだりするのに多数の必要な筋肉や神経などの連携プレーが必要な複雑な行動で、生まれつき持っている能力ではなく、少しずつ学習し、練習を積み重ねながら体得していくものなのです。
2歳児から5歳児ぐらいの幼児は、新しく口にする食品に抵抗を示すことが多く、その結果食べられるものは好きな4、5品目だけになり、しばしば親を心配させることがあります。正常な小児の発達段階で、一時的なことが多いのです。
幼児は新しい食べものを嫌がるものという基本的な認識は持たれておいた方がよいと思います。新しい食品を始めるときは何回も与えて慣れさせることが必要になることもあります。
さらに家族で楽しく食べることが大切です。お母さんが一生懸命なあまり、心配な顔をしたり、怖い顔をしていると子供も楽しくありませんよね。無理に食べさせるよりもお母さんがご自分で味わって、おいしそうに食べているとこどもも興味を持って、食べれるものも増えてきますよ。
フォローアップミルクは基本的に必要ありません。普通の育児用ミルクと違うのはたんぱく質やカルシウムが多くなっている点です。
一見栄養があっていいようですが、たんぱく質やカルシウムが多すぎると腎臓にも負担がかかり、たんぱく質が多すぎると、離乳食を進めていく妨げになることが心配されます。
フォローアップミルクは栄養的には離乳食のいらないミルクともいえますが、離乳食を食べることで、赤ちゃんは色々な味を覚えたり、ミルクなどの液体だけではなく、固形物も舌でつぶしたり、歯ぐきで押しつぶしたりして、飲み込むという複雑な食べるという過程を少しずつ身に着けていくのです。離乳食を食べることで消化管の機能も発達してきます。
離乳食を食べないというのはよく聞かれることですが、食べる量には個人差が大きく、週単位で少し長い目で見ると案外食べていて、成長曲線上の伸びも正常で順調で心配ないことも多いのです。安易にフォローアップミルクを使うよりも離乳食をしっかり食べることが重要です。たんぱく質が多すぎると便が硬くなりすぎて、便秘になることもあります。
乳児健診のときに赤ちゃんが太りすぎではないかと気にされるお母さんはかなりおられますね。
昔は乳児期に太ってしまうと脂肪細胞の数が増えてしまい、一生太りやすい体質になってしまうという説があり、一般に広く信じられていました。私なども医学部の授業でそのように教えられた記憶があります。今でもカウプ指数(赤ちゃんの肥満度)が大きいと厳しく指導されることもあるようですが、赤ちゃんの肥満は良性肥満といわれ、成人の肥満や生活習慣病には直接つながらないのです。動きが活発になって運動量が増えてくると自然にスマートになってきます。太りやすさというのは脂肪細胞の数などで単純に決まるものではないのです。ミルクを薄めたり、離乳食を減らしたりする必要はまったくありません。しかし、小さいときに甘い味や濃い味付けに慣れてしまうとその嗜好は一生続くこと、よく噛まずに丸呑みしてしまう習慣をつけると過食になりやすく、成人病の危険因子になることが指摘されています。
乳児期の肥満は問題になることはないのですが、動きが活発となる幼児期以降は肥満傾向が成人になるまで続くことが多く、高血圧、糖尿病、心臓病などの成人病と関係が深く、成人病が子供の頃から始まっていることが指摘されています。
成人病は子供の頃から気をつけていく必要があるのですが、単なるダイエットではなく、成長期にあるということが大切です。
必要な栄養は十分に取ることとよく運動をすることがまず重要です。食べる量を無理に減らすと身体は少しの栄養でも蓄えようとします。きちんとした食事をすることが大切です。体重を減らすことを目標にしないで、体重がどんどん増えていかないことを目標にすべきです。
早食いは満腹感を感じにくく過食につながりやすいのでゆっくりよく噛んで食べる習慣をつけることが大切です。テレビなどをつけっぱなしで食事をすることは食事に集中できないので小さいうちから、食事に集中できるよう”ながら食べ“はしない。食事を減らすのではなく、バランスの取れた食事(和食が理想)とし、成長に必要な栄養はきちんととることが必要です。間食は最小限にし、甘いものは出来るだけ避ける。特に炭酸の入った甘い飲み物は糖分が過量に含まれているので要注意です。
運動をすることはさらに重要です。中年太りの大きな原因は飲みすぎなどの不規則な食生活と筋肉が衰えることで消費エネルギーが少なくなることがあげられます。親もきちんとした生活をする必要があるのですね。(耳が痛いです)ごろごろしていて、二日酔いなんてとんでもないですね。
これもよく聞かれます。厳密には実際に診察してみないと断定できないのですが、ほとんどの場合、正常のリンパ節であることが多いのです。リンパ液という身体を感染などから守る細胞を沢山含んだ液体が体中をめぐっているのですが、そのリンパ液の流れる道の途中にリンパ節という関所のような場所が身体中に沢山あります。体中にあるのですが頸はよく触れやすいので心配になるのですね。しかし、これはあるのが正常でいくら探してもひとつも触れない場合には、先天性免疫不全が疑われます。一般にやわらかくて、表面が滑らかで、回りの組織に癒着がないものは心配ないのですが、いろいろな病気に伴うものもあるので、心配なときは診せてください。
赤ちゃんはまだ腸の働きをまだうまくコントロールする働きが弱いので便がゆるくなったり、硬くなったり、便秘になったりします。赤ちゃんの便秘はよくあります。生まれてすぐから、はじまるものやひどい場合には腸の先天的な病気によることがありますが、だんだん成長するにしたがって、食べる量や種類も増え、消化管の機能も発達してきて、運動も活発になってくると筋肉も発達してきて便を出す力もつよくなってきて自然に治ってくるものが多いのです。
毎日便が出なくても、機嫌もよく、食欲もあるようなら、基本的に心配ありません。毎日便が出ていても、便が硬くて、痛がったり、肛門から出血したり、おなかがはったり苦痛を伴う場合には気をつけてあげる必要があります。排便に苦痛を伴うようであれば、無意識のうちに便をためるようになります。いつも沢山腸の中に便がたまっている状態が続けば、腸が伸びた状態がつづいて腸の感受性も鈍くなってきて、便意を感じにくくなり、また便をためてしまうという悪循環で便秘がひどくなっていきます。便を出しやすくしてあげて、便をためないようにすることが大切です。
まず大切なのは食事です。たんぱく質が多すぎると、便の中のたんぱく質も多くなります。たんぱく質は水分の保持能が弱いため、多すぎると便が硬くなりやすいのです。赤ちゃんの場合、フォローアップミルク(たんぱく質が多すぎるのです)がよい例です。繊維成分が多いと便の水分保持能は高くなって便は軟らかくなります。
どうしても便が硬くて苦痛をともなう場合には、便を軟らかくする薬を中心に使います。
便が軟らかくても出にくい場合には腸の動きを促進するような薬も使います。
便をためないことが大切です。乳幼児の便秘は習慣にならなければ成長とともにもなおるのです。
基本的にお母さんの予防的な食事制限は必要ありません。以前は妊娠中、授乳中はひかえると喘息やアトピー性皮膚炎などのアレルギー疾患の発症が少なくなると言われたこともあるのですが、現在では否定されています。欧米でも、アレルギーの赤ちゃんが生まれる心配のあるお母さんにはピーナッツなどのアレルギーを起こしやすい食品を制限するように推奨されていましが、最近正式に否定されました。偏らないバランスのよい食事をすることが大切です。
卵アレルギーの赤ちゃんはとても多いのですが、消化機能や免疫が発達してくるまでの一時的なものが多いのです。消化管は必要な食物をやたら拒絶しないようにアレルギーを抑える免疫が発達してきます。個人差もあり、食品の種類によっても異なるのですが、卵は比較的順調に耐性を獲得できることが多いのです。アナフィラキシーショックなどの危険な反応を避けるために注意をする必要はあるのですが、ある程度、食べられる場合には症状が出にくいような形で少しずつ食べていったほうが食べられるようになります。卵なら卵黄のほうが卵白よりもアレルギー反応をおこしにくいですし、生に近いものよりもしっかり火を通したもののほうが反応は出にくいのです。
衛生仮説といって、近年アレルギー疾患が増えてきた理由として、あまりにも小さいときから、清潔になりすぎて、細菌の毒素などの免疫系を刺激するものが少なくなり、免疫系がアレルギーを起こしやすいほうにバランスが崩れてしまうのでアレルギー疾患が増えてきたという説があります。
欧米でも農家などで家畜を沢山飼っているような環境で育った子供はアレルギー疾患が少ないという事実があります。また、猫を生まれる前から飼っている環境で育ったこの方がアレルギー疾患の発症率は低かったというイギリスの有名な論文もあります。
しかし日本のようにダニやハウスダストの多い環境ではそのまま当てはめられませんし、いったん猫アレルギーが発症してしまうと重くなってしまいます。欧米などとはまったく環境が違うので、日本ではアレルギーの心配のある方が猫を飼うことはおすすめできません。
咳が続くことを心配して受診される方はとても多いです。年齢によっても原因はいろいろです。小さいときほど生まれつきの病気が隠れていることもありますが、多くはウイルスやマイコプラズマなどの 感染の後に、治ってからも気管支に影響が残ってひどい咳が続くことが多いのです。
ウイルス感染の後に、本当の喘息ではなくても、喘息のように気管支が敏感になり、わずかな刺激でも咳が出やすくなり、痰が多くなり、場合によってはゼイゼイすることもあります。
気管支が敏感になっていますから、家族でタバコを吸う人がいるとますます咳はますますおさまらなくなります。また、小児で多いのは鼻の調子が悪く、のどに鼻が落ちていて(後鼻漏)、それが刺激となって咳が続く場合もあります。咳が続くと結核を心配されるかたもおられますが、乳幼児の結核は成人の結核と違って、咳がみられることはまずありません。子供でよく見られるマイコプラズマ肺炎では熱もなくて、比較的元気なのにレントゲン写真をとってみると立派な肺炎が見つかることもあります。咳が長く続くときは、ウイルスやマイコプラズマなどの感染の影響で気管支が敏感になっていることが多いのですが、家族がタバコをやめても咳が続く場合には、いろいろな原因がかくれていることもあるので外来で診せてください。
子供の熱が高いと心配になりますし、かわいそうですよね。しかし、熱が高くても、熱そのものによって病気が重くなったり、脳細胞が影響を受けたりしません。病気を治すためや病気が重くなるのを防ぐためには本当は解熱剤を使う必要はないのです。ウイルスや細菌は一般に熱に弱いのです。身体を守るために自分で熱を出してウイルスや細菌と戦っているのです。せっかく頑張っているのですから、解熱剤を使って邪魔する必要はないのですが、頑張りすぎるとまいっていますよね。つらそうなら少し解熱剤を使って熱を下げてあげると水分が取れたり、ゆっくり休めたりして体力を回復するのに役立ちます。大人にくらべて子供のほうが熱に強いので、大人が思うほど本人はつらくないことも多いのです。38.5度以上で使用するように一般には書いてあったりするかもしれませんが,39度以上あっても、子供が平気なことも多いのです。このような場合にはもちろん解熱剤を使用する必要はありません。つらそうなら、少し解熱剤を使用して楽にしてあげることは、悪いことではありません。
(子供の発熱に関する心配や疑問は多いので、本ホームページの発熱と解熱剤に関するQ&Aもご覧ください)
風邪や発熱のときに入浴してよいかということは医学的に十分検討されているわけではなく多分に経験的なのですが、高熱でぐったりしているなど、ひどく具合が悪くなければ、基本的に入浴してもかまわないと思います。少しぐらい鼻水や咳が出ていても元気に遊んでいるようなら、基本的に入浴しても問題ありません。
熱があったり、心配なときには、シャワーだけにしたり湯船に入らないで流すだけにするようにおすすめしています。
熱を出しているときには入浴が負担となって病気が重くなってしまうというよりも、たまたま急に熱が高くなっていくときに熱性けいれん(熱が急に上がっていくときに多いのです)を起こしてしまうなどの偶発事故も心配だと思います。もちろん、ノロウイルスやロタウイルスによる胃腸炎などのように感染性の高い病気の場合には他の兄弟は一緒に入れず、汚れ物や洗濯も別にします。
生後8ヶ月ごろから、歯が生え始めることが多いのですが、昔から“歯が生え始める頃にはよく熱を出す”などといわれたものです。実際この頃はお母さんから生まれてくるときに大量にもらってきた免疫グロブリンも少しずつ減り始め、まだ自分で免疫グロブリンを作る能力は弱いので免疫学的には“谷”になっており、ウイルス感染を受けやすく、熱を出すことも多くなります。保育園などの集団生活に入った頃には次から次へといろいろなウイルスをもらってきて、熱を出したり、下痢をしたりという“かぜ症状”を繰り返すことがよくありますが、かぜ程度でおさまっていて、軽くすむのならばお子さんの免疫系は十分に健闘しているといえます。いろいろなウイルス感染を繰り返しながら子供は丈夫に育っていくものなのです。
市販のかぜ薬は安全域を広くみこまれているため、用法、用量を守れば赤ちゃんや子供に飲ませても基本的には問題はありません。しかし、本当に飲ませる必要があるのか疑問です。もともとかぜの症状は鼻水にしても咳にしてもウイルスを早く鼻やのどから出してしまって身体を守ろうという仕組みでもあるのです。ひどくてつらいものでなければ、無理に薬でおさえる必要はないのです。まして、かぜぐすりで病気が重くなるのを防ぐことは出来ません。はっきり言うと気休めにしかすぎないのです。クシャンときたら、○○三錠!「よかったね!早めの○○○○」などというのはコマーシャルとしてはよく出来ていると思いますが、小児科医としてはいつもに苦々しく思っているのです。
ベビースイミングは喘息の発症を予防する効果はありません。むしろ喘息の発症率が高くなってしまうという報告さえあります。喘息児にスイミングがすすめられるのは喘息発作を起こしにくい運動だからです。スイミングで喘息が治るわけではありません。
運動によって発作を起こす場合、運動誘発性喘息といわれますが、毎週のように運動誘発性喘息を起こしてしまうようでは、喘息の治療が十分とはいえません。治療のステップアップや見直しが必要となります。また、運動の仕方によっても発作のおこり方は違ってきます。ウオーミングアップを十分に行って、運度強度を徐々に上げていくようにすると発作はおこりにくく、発作がおこっても早めに休むようにすれば自然に治まってきて、また15分から30分で運動が再開できます。
上手に運動を続けるほうが発作を起こしにくくなります。
予防接種の対象となっている病気は、子供たちにはかからせたくない病気ばかりです。
かからせたくない理由は、子供が病気にかかってつらい思いをするだけでなく、重い合併症や取り返しのつかない後遺症を残してしまうこともあるからです。
例えば、おたふくかぜは小さい子供は軽くすむことも多いかもしれませんが、髄膜炎をおこしたり、最近注目されているのが、聴神経が障害を受けて、難聴を残すことがあり、かつて考えられたほどまれな合併症ではないということがわかってきました。(ムンプス難聴)麻疹は普通にかかってもとてもつらい病気です。脳炎や失明といった急性期の重大な合併症もありますが、何年も経ってから少しずつ神経症状が悪化して、死に至る亜急性硬化性全脳炎(SSPE)というきわめて重篤な合併症をまれながらおこすことがあります。最近ようやく日本で接種できるようになったヒブワクチンは乳幼児に細菌性髄膜炎を起こすインフルエンザ菌b型(ヒブ)に対するワクチンですが、乳幼児はヒブに対して免疫を作ることが出来ず、まったくヒブに対しては無防備です。ヒブによる髄膜炎にかかった赤ちゃんでも、ヒブに対する免疫を作ることは出来ないのです。しかし、ヒブワクチンを接種すると免疫を作ることが出来るのです。
予防接種の目的は本人を病気から守るためではあるのですが、周りの人にウイルスをばらまいて病気をうつさないようにすることも大切なことです。特に予防接種を受けたくても受けられないような血液疾患などで免疫抑制剤や多量のステロイド剤を使用しなくてはならない人たちを病気から守るということにもつながります。
かつて世界中で猛威を振るった天然痘も種痘という予防接種で地球上からなくすことが出来ました。いまどき麻疹や風疹が流行るのは先進国と呼ばれる国の中では日本だけです。予防接種が徹底されている国では麻疹も風疹もすでに過去の病気となっています。病気の流行がなくなり、病気がなくなってはじめてみんなが病気から守られることになるのです。
抗生物質が効くのは細菌が悪さをしているときだけです。抗生物質によって風邪が早く治ったり、重症化を防げたりするわけではありません。
大半の風邪はウイルスによるもので、ウイルスには抗生物質はまったく効きません。細菌による場合でも重症感染症は飲み薬の抗生剤では防げません。中途半端な治療は重大な疾患が隠れている場合にはかえって診断が遅れ、十分な治療の開始も遅くなってしまい、重大な結果を招いてしまうこともあります。溶連菌感染症や尿路感染症などのように経口の抗生物質でも十分に治療できるような病気も抗生物質を中途半端に使うと正しい診断ができなくなり、不十分な治療になってしまうこともあります。溶連菌感染症の場合には急性糸球体腎炎やいろいろな溶連菌関連性疾患を合併することがあり、十分な抗生剤投与(10日間のペニシリン)が必要です。尿路感染症を繰り返す場合には尿が膀胱から逆流したり、尿が流れにくくなっている場所が隠れていたり、水腎症を合併することもあります。
日本では抗生物質を乱用することで抗生物質の効かない耐性菌が増加し続けています。抗生物質はわれわれが持っている治療手段のうち最も重要なもののひとつです。必要なときに大切に使っていきたいと思います。同時に少しでも抗生剤が乱用されないように早期に細菌ワクチン(ヒブワクチン、肺炎球菌ワクチンPCV7)の導入されることが切望されます。
これも比較的よくみられる症状ですね。夜寝ているときは平気なのですが、あまりにも頻繁にトイレに行きたがるので、何か病気があるのではと心配になって病院にいって検尿しても何の異常も見られない。昼間極端な頻尿が見られるのに、本人は元気で、夜寝ている間は失敗することもなく朝まで大丈夫という場合は、膀胱炎や腎臓の病気や糖尿病というような病気があることはまずありません。検尿で異常なければ、さらに心配はないということになります。
何らかの精神的なストレスが背景にあることが多いのですが、はっきりした原因がある場合は別として、あまり詮索はしないで、頻尿についてはそっとしておいて、子供との接触を増やして安心感を与えてあげるようにすると自然に治ってくることが多いようです。
チックはそれほどまれなものではなく、3歳から6歳ごろ発症することが多く、小学校入学前後では約10%前後に見られるといわれています。チックとは、本人の意思とは関係なく、ピクピクっとした目的を持たない素早い動きが繰り返し起きてしまうものを言います。一番よく見られるのは、まばたきで、そのほかにも顔をしかめる、肩をすくめる、頭を振る、口を曲げるなどの症状が見られます。(運動性チック) また、咳払いを繰り返したり、「あ、あ、あ」など無意味な発語を繰り返すものもあります。(音声チック)
心理的なストレスで悪化しますが、心理的な原因で起こるものではありません。身体の一部分に限局する単純性チックは一時的なもので、心配する必要はありません。無理にやめさせようとしないで、リラックスさせてあげることが大切です。また、周囲から、いろいろと言われたり、からかわれたりすると本人の心理的な緊張感が高くなり、症状を悪化させたり、こじれさせたりします。周囲の理解を得るという環境調整が重要です。